宇野功芳先生が亡くなられました。以下は、産経新聞WEBニュースからです。
『 音楽評論家で指揮者の宇野功芳(うの・こうほう=本名・功=いさお)さんが10日、老衰のため死去した。86歳。葬儀・告別式は近親者のみで行う。後日、お別れの会を開く予定。
父は漫談家の牧野周一。国立音楽大声楽科で合唱指揮者を志す一方で、音楽評論...を始める。歯切れ良い筆致で指揮者のハンス・クナッパーツブッシュやカール・シューリヒト、エフゲニー・ムラビンスキーをはじめ、20世紀を代表する演奏家の紹介で知られた。
また、大阪フィルを率いた朝比奈隆に早くから注目して評価を高め、難解とされたブルックナーやワーグナーの音楽の真価を分かりやすく解説。一方で、指揮者としても独特の手法で人気を集めた。著書に「宇野功芳の『クラシックの聴き方』」など多数。』 以上
宇野先生の本は大学生の時に「モーツァルトとブルックナー」を読んだのが最初です。当時それほどポピュラーと言えなかったブルックナーの音楽の紹介に新鮮さを感じました。吉田秀和氏のような文学的な文章でも有りませんし、好き嫌いのはっきりした物言いにアンチ派も多かったと思いますが、それだけ支持者には強く愛されたということでしょう。
ブルックナーの音楽やクナッパーツブッシュ、シューリヒト、朝比奈隆といった本物の音楽家を日本で正当に評価されるようにした貢献度は計り知れません。
私はかつて勤務先の関係で先生を知っていたので、コンサート会場でお見かけしたときには必ずお声を掛けました。今となっては、それらのちょっとした会話が大変懐かしく思い出されます。
先生、ありがとうございました。
黙祷。